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誰かが君を、 【後編】

【登場する地名、人物名、団体等は全て架空のものであり
実在するものとは何ら関係ありません】


                  ◆

「おねーさんはさ」
僕は、たずねてみた。
「ん?どーした」
優しく、僕に微笑みかける、おねーさん。

「おねーさんは。先生に好かれる生徒ってどう思う」
「そりゃ……良いと思うけど」

「僕はさ。友達から『お前は優等生だよな』って言われる。先生も
僕を『お前は、皆と違って偉いな』って言う」
「……」
「先生の言われた事はちゃんと守らないといけないと思う。でも
皆はそういうことを言っても『大人の味方かよー』って言って
僕を冷やかすんだ」
「なるほどねぇ」
「……僕、間違ってるのかな」
「間違ってはいないと思うよ。君の言ってる事。……でも、子供には
子供のルールが有るからネェ」

――ほんと、こういうところは昔っから変わんないのね。

「え、何か言った?」
「あー何でも無い、何でも。……それよりさ」
「……はい」
「うん、で良いの。他人行儀なのはおねーさん悲しいなぁ」
「だってまだ僕とおねーさんは出会ったばかり」
「あら、この子ったら。……あのね、親しくなるのに時間なんて
関係ないの、OK?一度フィーリングが合ったら、もうあとは
恋に発展するだけだかんね」
「ふぃーりん……??」
「おっと、まだ君には早いか。ガハハ」
「ガハハって……」
「本題に戻ろう。……掃除。今日も有るんでしょ」
「あ」
「それに、教室を飛び出したまま。……先生、今頃カンカンだぞぉ」
「や、やばっ」

僕が走り出そうとすると、おねーさんが呼び止めた。

「今日、放課後。……いっしょに、そうじしてあげる」
「……え?」

でも、そんな。……見ず知らずのおねーさんが?
なんで?わざわざ?

「深くは考えない方が良いぞ。……それに、ひとりでやるより
楽しいじゃない、そうじ」

他の子たちがやらない前提で……と思ったが、おねーさんの
言う通り、か。

……僕は、頷くだけにする。
すると、満足そうな顔で、向こうも頷いた。

はて、あのおねーさんこそ、学校とか、良いのかな。


                  ◆

「もう、こっちは終わったよー」
「あ、こっちも終わるよー」
約束通り、おねーさんは来てくれた。
二人で、掃除。……なるほど、楽しかった。
でも、楽しかったのは、このおねーさんが僕のために、
笑わせてくれたり、色んな話題を振ってくれたからだと思う。

……だから「怖かった」。
どうして、このおねーさんは、ここまで「僕」に
「優しくしてくれる」んだろう、と。

で、おねーさんをよぉーく見てみる。
おねーさんは、僕の一つ上の、中学生。
こう、髪の毛もサラサラで、足も凄く長くて。
身長も大きかった。

……おっぱいも。

……って、駄目だ駄目だ!!
で、手には通学カバンが。……そのカバンが開いていて、
中に何かを入れているみたい。

……なんだろう、あれ。

ん、あれって……

「あ、そ、それ、僕の日記帳!!」

間違いない。ずっと、ずっと書いている僕の日記帳だ。

「な、なんで僕の日記帳をおねーさんが持ってるの?」
「……!!」

その時のおねーさんの慌てっぷり。
……泥棒、だ。……この、おねーさんは、泥棒なんだ!!

「……っ!!」

日記帳をひったくると、僕は逃げるようにしてその場を後にした。

「ま、待ってっ!!」


                  ◆

主人が、
この世から消える。

……そんなくだらない話を持ちかけられてもこちらとしては
困るのだが。

「……でも、そうなんですよねェ。……放置するわけにも行かないと
思うんだけどなぁ」

れん、と名乗った少年は家を訪ねるなり開口一番
「ご主人が亡くなります。助けて欲しければ僕の言うとおりに」と
まるで話にならない事を口走るものだから、一旦引っ込んで
ありったけの塩を撒いてやろうか、と思ったぐらいだ。
鬼の形相で睨む私に、

「ご主人が、つけてる日記。……凄い量ですよね」
と薄ら寒い事を言う。
「……なんで知ってんのよ」
「もちろん、日記はプライベート。見てはいけないものです。
ただ、このまま……というわけにも行かないんじゃないですか」
「あのね、さっきからアンタ」
「……小学6年生、そう1991年の6月12日の日記を見てください」
「はぁ?」
「良いから。膨大な量の日記帳だが、ナンバリングしてあるから
探すのは容易い」
「……なんでアンタがそんなこと」

主人の部屋に入る。

……って、私、あんなガキの言うがままになってる?……まぁいい。
ハッタリだ、ハッタリ。

「……持ってきた?じゃあ、読んでみて」
「……6月12日でしょ、ええと」


今日、不思議なお姉さんに出会った。
○○【氏】 ○○【名】 ○○中学一年


「……!こ、これ……『私の』名前……」
「中学校名も合ってる、でしょ」

目の前の少年が確信に満ちた目でそう言う。

「続きを」

お姉さんに、励ましてもらえた。良かった。

「……」
「で、問題は次の日。……13日だね」

ペーシを捲る。

実は、今日凄い事が起こった

……もう少しで


死ぬところだった

屋上の

フェンスが壊れていて

落下








                  ◆

屋上……のドアの鍵が開いていた。
何故だかわからないけど、僕は上に逃げようとしていたらしい。
普通、逃げるなら学校の外なのに。

おねーさんは追いかけてきたはずだ。
ど、どこかに隠れないと。

探す、さがす。

気が付けば、僕は屋上の、

フェンスの側まで



                  ◆


主人の顔が、頭からよぎる。
……バカ。こんなことまで、わたしにさせといて。
わざわざ「自称」神様だって言うあのガキに従って、
こんなところまで来たってのに。

……いや、もうこんな「神業」使ってる時点で、あの男の子は
神様だわ。……と、いうよりもっとこのぴちぴち(死語)した
自分自身の身体を堪能したかったのだけれど。

「ったく、どこまで世話焼かせれば気が済むのよ、あんにゃろは!!」

……屋上。

おもいだせ。

……日記の、内容。

……確か、屋上、の……

屋上の、

……フェンス!!





                  ◆

壊れていたフェンスに、重心を置いた、僕の身体が、バタンッ!という
音と共に、崩れ落ちようとした。

ふわり。

そんな、僕の、身体を、

優しく、優しく、
おねーさんが包み込んで。

そのまま二人、……二人……

あ、あれ?





ざぱーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!


                  ◆

「じゃあ、さいしょっから、アンタの手の上で踊らされたわけだ!私は!」
かなりご立腹のおねーさんにニヤニヤと笑う男の子。
……この学校の生徒かな。それにしては、やけに偉そうだけど。

「ご名答。……別に『君が助けなくても』実は『命』に別状は無かった」
「くぅ~!!!このガキャーーー!!」
「まぁまぁ。僕に『感謝』こそすれ、『怒られる』言われは無いんだけどね」
「ああいえばこういう!ったく、アンタ!性格悪いんじゃない?!」
「よく言われる」

……僕とおねーさんが落ちた先は、学校のプール施設。6月の中旬から
水を入れて安全の確認をする、と先生が言っていたっけ。

それにしても、凄い運だったんだ。

僕を置いてけぼりにして言い合う二人。……なんだか

「っと、……あそこでヤキモチを焼いているね。僕はそろそろ離れるよ」
「……アンタねぇ」
「で、後5分ね」
「……は?」
「だから、『君がこの世界に留まれる時間』が後5分」
「……ふ、」
「……ふ?」
「ふざけんなっ!!!」

                  ◆

「あはは……。ごめんね。ちょっとした知り合い」
「はぁ」
「……今日は、色々有ったけど、まずは、この日記の説明かな」
「そ、そうだよっ!その日記帳」
「えー。……今から言う事は真実だから心して聞くように。
実は、私の正体は、未来から来た貴方の妻です」




「へ?」



「あー、やっぱりそうだよねーそんなリアクション取っちゃうよねー」
そう言って、おねーさんは頭をポリポリとかく。
「あ、当たり前だよ!!嘘付くなら、もっとちゃんとした嘘を付かないと!
泥棒さんのくせに!!」
「うぅー傷付くなぁ。……じゃあ、これならどーぉ?」
ぺら、ぺら。

……そこには、まだ『書いていないはず』の日付までが、
日記帳に書いてあった。それは紛れも無い僕の字……。

「ちょっとくらいなら、良いんでしょ?」
そういっておねーさんは男の方を向く。
「えーー。宮沢りえちゃんが、ヌード写真を出します」
「って、いきなり何言い出すのーーー!!」
「本当なんだってば。これで私の言う事信じてもらえるはずだから」
「やーでも」
「……小学生にその話題はどうかと思うよ」
向こうの方で男の子がやれやれ、といった表情をする。
「っさいわねー。じゃあ、これ見て。ほら、ボロボロでしょ?この日記」
「それは、おねーさんが乱暴に」
「……年季、入ってるわけですよ。ほら、これは汚そうとして汚せる
色合いじゃなかとですよ」
「なんで方言なの」

「……あと2分なんだけど」
「って何つまらない会話してんだわたしーーー!!」

って、いうおねーさんの身体が、足の部分から消えかかってるーー!!

「や、やばい!!……ええと、○○君!!」
「は、はいっ!」
「……こほん。えー。まぁ、その何よ。……中学生になってだねぇ。
君も、その、恋をするわけだか」
「……え、えぇ?」
「中学3年のときに、運命の出会いをするから!!それまで、あまり
女の子とイチャイチャしないように!!」
「わけがわからないよ!」
「……文化祭の、クレープ売り場で!女子高校生が!君に声を
かけるから!!絶対に最後まで話を聞いてあげるように!!」
「って、今からそんなこと言っても覚えていないよ、彼」
見れば、向こうの男の子も消えかかっている。

「ほ、本当に……さよなら、なの?」
「……ん」
「おねーさん……」
「明るく生きて。……未来は。……君の未来は、暗くない」
「……」
「……だから、頑張って。心配しないで。君は、君のままで
良いから。……じゃあ」




――未来で、会いましょう。


                  ◆

「賭けは、君の勝ちだね『りん』」
「……最初は、『れん』も『男が生き残る』にしていたのに」
「それだと賭けにならないだろ?……うん。やっぱり、人間は
実に興味深いね」
「……」

りん、と呼ばれた少女が、手にしていた記事が消える。


少年、いじめを苦に自殺か――
原因は、掃除当番をめぐってのトラブル?


「確かに、あの場に居なくても『彼』は助かっていた」
「でも、その前に彼女に会わず、一緒に掃除をしていなければ」
「彼は――」
「でも、良かった。あの女性が、過去に飛ぶ決意をしてくれて」
「ふふ。そうだね。……あ、そろそろ僕は戻るよ」

――秋色の、街へ。





                  ◆

仕事帰り。珍しく「アイツ」が玄関前まで待っていた。
「んだ?どーした。お土産なんてないぞ」
「ばーか。……ちょっと気になることがあってね。待ってた」
「バカはそっちだ。……6月って言っても肌寒いんだ。風邪ひくぞ」
「えへへ。心配してくれるんだ。……今日の、このことも『日記』に書くの?」
「……って、何言ってるんだよ!お前は!!」
「やーい、あかくなった、あかくなったー!」
「もう良いっちゅーに!!ほら、早く中に入らせてくれ、くたくただよ」

玄関の前まで、小走り。……で、俺の方を振り返ると。


「おかえりなさい、アナタ」

って満面の笑みで言うから、俺は言い返してやった。

ひとつ、としうえの、お嫁さんに。



「あぁ、ただいま。 ……おねーさん」


【了】














>cherryさん
基本的にギャグよりシリアスの方がぶっちゃけ書き易いんですよね。
文字で笑わせる、この高等テクニック。本当、難しいですぜぇ!
主人公の「奥さん」、皆さんの憧れの「あの人」に当て嵌めて
読んで頂けたら幸いです。

>由那の森さん
/akiさんの「黒板~」が元ネタ、とわかれば後は「アナタ」がヒント。
未来の奥さん、ということでしたね。ラストもほのぼの。
やっぱりハッピーエンドって良いものですね。シリアスな程、
そのラストは幸せにしてやりたいものです。

>/akiさん
「生かされている」と思うときがあります。あぁ、俺が今生きているのは
きっと関わってきた人たちのお陰かもしれない……と。
人の出会いは一期一会。今の自分を形成しているものは間違いなく
周りの方々の教えによるものと言えます。そんな「生かされている」
……こういうテーマって重くなっちゃうんですけど「未来の奥さんが
幼い姿で現れる」という萌え要素でオブラードに包んでます。


>スキュラさん
せっかくの同世代が多い中で、なんとか同世代の方々に向けた
ショートショートを作れないかなぁ、と思ったのがきっかけです。
ですので、同世代のスキュラさんに反応を頂けた事がとっても
嬉しいです。もし、あの頃、こんな素敵なお姉さんがそばに居てくれたら……
良いんですよ。これはフィクションなのですから。
読み手が「ちくしょー青春してるじゃねぇか!」となるくらいが丁度
良いかなぁ、と思います。
「明日君スピンアウト」では、やはりベクトルが違いますのでこういった
作品は発表し辛いのですけど。

なにわともわれ、前編、後編、お読み頂き有り難う御座いました。
彼等の物語は、彼等の中でこれからも続いていきます。
二人に、幸あれ。

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[ 2009/06/12 02:00 ] ショート・ショート | TB(0) | CM(4)
No title
おねーさんの正体は予想どおりでした。

こういう話を読むといつも思うのが、

過去があったから未来があるのか。
未来があるから過去があったのか。

鶏と卵のどっちが先に生まれたのかという思考のループに嵌ってしまいます(苦笑)

ふと、冷静に彼らの年齢を考えると……
ほぼ、同年代!?

羨ましくなんかないもん!
おねーさんと結婚できるなんて!
[ 2009/06/12 22:48 ] [ 編集 ]
No title
なんだか考えさせられるお話でしたね。
おねーさん。いいなぁ。
過去、現在、そして未来かぁ。
その時の、ほんの一瞬って大切だな、なんて。
あの時の彼らはもう二度と出会えない。
あの瞬間のふたりはもう二度と会話できない。
けれど、彼らには未来がある。
んん。いろいろと考えちゃうな。
切ない。でもあったかい。
そんな感じのお話でした。




[ 2009/06/13 01:37 ] [ 編集 ]
うそー――――っ!!!
そういう展開は予想してなかったです(汗)
ええっ、まさかそんなおねーさんが……。驚きました。
いや、本当にいい話でしたねー……。
こういう時、言葉があまりでてこないのがくやしいですね。
あたたかい話ありがとうございました。
[ 2009/06/13 16:47 ] [ 編集 ]
No title
未来から来た貴方の妻って、意外な展開すぎるーー。
でも全体的にシリアスでどきどきさせられましたがいい話でした。
スピンアウトの方ではコメディーよりの作品を楽しませてもらっていますが、この作品も感動できるいい話でした。
[ 2009/06/14 00:01 ] [ 編集 ]
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