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千鶴の近所のお兄ちゃん【夏の怪奇シリーズ】 壱:白いうなじの少女 第1話

【登場する地名、人物名、団体等は全て架空のものであり
実在するものとは何ら関係ありません。】




                  



バスの中で、とある「少女」に確実に会うために、ダイヤの確認を行い、
いつもと同じ時刻を狙う。

その少女の、白い、透き通った「うなじ」が頭から消えない。
僕は、その名前も知らない少女を見ることで、今日一日が
幸せになれるんじゃないか、という妄想すら抱いた。


僕が、その少女を初めて認識したときから、ひとつ気になっている
ことがある。

彼女が読んでいる「本」だった。
少女が読むにしては珍しく、それはハードカバーであり
(普通なら、文庫本か、コミックだと思うのだが)
また、やけに古い本の様だった。
(流石に内容までは解かりかねるが、外装は茶色に覆われていて
年季の入った代物だということは直ぐにわかった)

初めは、もちろん最初のページだったのだが、それをやけに
ゆっくりと読んでいる。

普通、バスの中とはいえ1~2分もすれば次のペーシをめくる
ところであるが、少女は、ずっと同じペーシを読んでいるようにも
思えた。

だが、次第に、それが「ゆっくりと、しかし確実にペーシはめくられている」
ことに気が付いたのは、少女にバスで出会ってから、早いもので
数ヶ月が経過した頃のことである。


―― 半分のところまで、読んでいるじゃないか。

そう、気が付けば、少女はその本の、約半分まで読み終わっていたのである。
そして、まだ、僕は少女に話しかけられないままでいた。

         





―― 気になる、男の子がいた。
その男の子に会いたくて、私は、同じ時間、同じバスに乗るようになっていた。
一見、普通の、どこにでもいそうなひと。
でも、何故か、私は、

惹かれた。

あぁ、それはきっとあの時からだ。

年配の方が入ってきた時に、席を譲る代わりに「次とまります」のボタンを
押して、バスを降りてしまったのだ。

私は、もちろん知っていた。
彼が、その停留所で「降りるはずがない」ことを。

譲ろうとして。
それでも、恥ずかしくて。

それで考えて、考え抜いた答えが、「それ」だったんだろう。

なんて、不器用な男の子なんだ。

そう思ったら、なんだか彼のことが気になって。
特別な、感情が産まれたんだと思う。

恋なんて……ま、そんなもんでしょ、と自分に言い聞かせながら。

でも、気になるのは、それだけではなかった。
彼の、視線の先。



居ないはず の、

その視線の、先。

彼は、

何を、

「観て」

いるのだろう。







【続く】

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[ 2010/06/02 00:11 ] ショート・ショート | TB(0) | CM(0)
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