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君に向けて手を伸ばせば、全てが変わるのなら、 僕は。【最終回】

【登場する地名、人物名、団体等は全て架空のものであり
実在するものとは何ら関係ありません。】



                  ◆

「アニミズム、という言葉をご存知かしら」
「アニマ……何だって?」
「まぁ良いわ。つまり、貴方が今、目にしているものには、全て神霊が宿っているの。
そういう考え方――例えば、水。例えば、風。そういうものに、神は住んでいる」
「はぁ」

「人も例外では無いわ。人は死ねば、個を失い、全て『ご先祖様』という一つのかみさま
になるわけね。……日本人なら、この考え方、理解できると思うけど」

「えぇ、と。それと、君に関係が有るのかい?」

「私達は、言わば『鏡の霊』によって作られた存在、そういうことよ」

――つまり、と、少女は、饒舌になる。

この空間は、全てがあべこべな、つまり非対称の、鏡の世界だという。
そして、この空間を作ったのは、鏡のかみさま。
そのかみさまによって、少女は、文字通り非対称の外見として、作られた。
この建物も、空も、全て作られるのは、非対称のモノ。


「で、それで――鏡のかみさまは、何がしたいのさ」
「……乗っ取る、そう言ってたわね」

少し、少女が笑う。

「乗っ取るって……」
「シンメトリー(対象性)で無いものでも、パッと見てもバレナイものでしょ?
まぁ、ホクロの位置とか、色々問題は有るけどね。……どうやら、私たちを
作ったかみさまは、私を作って実験をしたいみたいね」

「……実在の人物と、そのまま成り代わるって、そういうこと」
「ご名答。……どうやら、貴方は『本当の私』に出会っていたみたいだけれど」

と、言って、少女が近付く。

「……このまま、黙って見過ごしてくれるなら、貴方には何もしないわ」

耳元で、
少女が囁く。

「ふふ……知ってるんだから。……私に、性的な感情、ちょっとは抱いてるんでしょ?
男の子だもんね」

「性的って……お前」

「まぁ、敢えて可愛い女の子を選んだんでしょうね、かみさまは。……こうなるって
ことも、予測済で」


僕は――


「そうだね。君の提案も悪くない。……自慢じゃないけど、僕は今まで、モテたことは無い。
女の子と、手を繋いだ事も無い」
「ほうほう」
「凄く、魅力的な提案だよ。あぁ、そうさ、今だってムラムラしてるさ」


でもな。


……と言って、僕は、

その少女を、


拒絶する。



「悪いな。……もし、今日の『朝』の段階で、その提案を出していたら……って思うけど。
もう、会っちまったんだよ。僕は。……『本当の君』に」

「……」

「僕が、あの女の子を選ぶ事で、あの子を救えるなら……」


「僕は、敢えて、茨の道を選ぶよ」





                  ◆



暗転。


僕は、また気を失っていたようだ。
これで、


「二度目だね」

そういって、目の前に、あの「少女」が、屈んでいた。

髪留めの位置は……


よかった。この女の子は『ホンモノ』だ。

ふと、最期に見た、「向こう側」の少女の顔を思い出す。

「……笑っていたのかな」

「え?」

「ちょっと、ね。ある人と、別れた後だったんだ」
「……女の子」
「うん、とっても可愛い、女の子」
「ほほぅ。……罪な男の子ですな」

「……。ちょっと寂しそうだったけどさ。でも、笑ってくれた」


「よぉし、私が慰めてあげる。……マック行こう、マック。奢るよ」
「ビックマックセットを」
「……100円マックに決まってるでしょーが」


僕が選んだ道は、

ちょっと大変なのかもしれないけれど。

それでも、この、笑顔を。
……守ったんだと。

いうことに、しておこう。



【了】

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[ 2009/12/23 00:32 ] ショート・ショート | TB(0) | CM(0)
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